先日、探し物を見つけようと、キャビネの中を見てみると、
娘が小学生の時に読んでいた「てのひら文庫」が出てきました。
なかなか面白い話が入っており、特に目を引いたのは
宮沢賢治の「よだかの星」でした。
短編でしたのでその場で読み終えてしまいましたが、その後は心が重くなりしばらくじっと立っていました。
よだかは、見た目があまり良くないために、周りの鳥たちからとても嫌われています。そして鷹からは自分と同じ名前ということで脅され追いつめられて苦しみます。
よだか自身、他の生き物のいのちを食べて生きていくことに気づき、苦しみを感じます。
このよだかの苦しみは人の世界にも言えることです。
自分と違う考えの人を受け入れない、批判する。あからさまに非難めいた態度で相手を傷つけたりする。
食べ物があふれている時代、その陰で、無駄になってしまう「いのち」があります。
「よだかの星」の中に宮沢賢治らしい優しいことばがあります。
よだかが弟の川せみに言うのです。
「…どうしてもとらなければならない時のほかはいたずらに魚を取ったリしないようにして呉れ。…」

